加藤周一対話集 別巻

加藤周一対話集 別巻 過客問答

 

著  者:加藤 周一 著
本体価格:2,800円
ISBN 4−87699−545-1 C0336
四六判上製 300 頁

内 容 紹 介
 第一部「半世紀を旅して――外への志向・内への志向」では、フランス・イタリア・イギリスをはじめヨーロッパの文化に触れたこと、カナダ・合州国・メキシコでの体験、北ヨーロッパと小国の生き方、東ヨーロッパとソ連との相克などを語る。
 第二部「戦時下のある風景」では、東大仏文教室の周辺や8・15前後の思い出を、
 第三部「芸術作品を読む――伝統と現代性」では、若冲の魅力や演劇・映画・美術など20世紀後半の芸術創造について述べている。
 第四部「中国の表情と日本の表情」は、文化大革命とは何であったかを分析し、中日文化の対極性、漢字文化圏構想を語る。
聞き終えて―江藤文夫(評論家)
 加藤さんの“冷戦的思考”という言葉に惹かれます。一つの体制が長期にわたると、それに慣れた“思考”が生まれる。時には、体質の一部を形づくる。そのことの怖さを、私は十五年戦争下の日常のなかで経験しました。時代を、自身の日常を<開いてゆく>ための思考の大事さを、いま思っています。 加藤さんの“旅”のお話――それは世界への旅、時代の旅であるとともに、加藤さんご自身の人生の旅でもありますが――は、たえず私自身の思考をかき立ててくれるものでした。計50時間にも及ぶ、多岐にわたるお話が、私にとってつねに快いものであったのは、何よりそのためだったと思います。 読者のかたがたにとって、この本が、同じ思いを抱かせるものであることを、そしてここから、多様な、また多元的な”現代”観が生まれることを、切に願っております。
編集者のコメント
昨年末、岩波から刊行された『私にとっての20世紀』の姉妹編、あの『居酒屋の加藤周一』(かもがわ出版)の続編・総集編的な本。加藤氏の語り口が魅力的、読みやすい編集で、「対話集」を読んでいない人にもおすすめの一冊。

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